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第23章 さ尊 章52第
それでもなお桜は信じないのか、疑い目を葵に向けている。
一方の葵は、そんな桜に目を輝かせて興奮しているようだった。
……つーか…この状況から見るに…
「葵、お前もしかして…桜のことが、好きなのか……?」
俺の言葉に、葵が再びキラキラした表情でこっちを向いた。
「はい!!!」
「ど、どういうこと……」
やっぱり…か………。
なんとなくそんなような気がした…が……
「桜さんも、だし、なんていうか、お2人のファン、です!!」
「………なんだそれ」
お2人……?って俺も入ってるってこと、だよな。
芸能人でもあるまいし、ファンだなんだと言われても。
今時の大学生の考えることと言うことは本当に訳が分からねぇ。
そんなこっちの呆れた様子もお構いなしで、葵は「え、これ言っていいのかな? いやでも、言っちゃえっ…」とむにゃむにゃと独り言を言っている。
そして、また顔を上げて、満面の笑みを見せた。
「1日ご一緒しただけですけど、お2人すんごく焦ったくてっ……でもお互い気にしてる感じだし、好き好きオーラ全開だし、その様子がすごく萌えるっていうかっ……」
「………………」
「通り越して、尊いんです……!」
…………なんだそれ…
想像も付かなかったことに言葉を返さずにいると、周りにいた客がどっと笑い出した。