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第24章 物い買 章62第







タバコを吸いながらテレビを見ていると、桜が風呂から戻ってきた。


ペタペタと足音を立てながら、スッと俺の隣に来ると、そのまま体育座りで座った。


何もない、平和な夜。


ゆったりとしていた空気が少しだけ変わる。


さっきから桜が横でチラチラと俺に視線を送っているのが分かる。


加えて、俺がどう思っているか分かっていて例のあの部屋着を着ているってことは、『食べてください』ってことなんだろう。



まんまと乗せられてその気になってる俺は、悟られないようにタバコを消すと、そのまま立ち上がった。



「俺も風呂入ってくる」



座り込んでいる桜を見つめると、とんでもなく艶めいた視線を送ってきていた。


風呂上がり、ホカホカの桜は『美味そう』で…



「はい」




そう返事をしながら、なぜか少し不服そうな表情を見ていたら堪んなくなって俺はそのまままたしゃがみ込んで桜の顔を覗き込んだ。




「っ……な、に」



「俺が風呂入ってる間に、寝んなよ」



こういう時その気にさせて、すぐ期待を裏切るのは桜の常套手段だ。


言って聞かせないと、帰ってきたら寝てるなんて事になってそうで俺は軽いキスを落としながら釘を刺す。


驚いた顔をしてる桜を尻目に俺は再び立ち上がって風呂場へと向かった。


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