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第5章 ナンパの女
夜、
今日は桜が休みで、作業を1人でこなしてた。
その方が余計な事を考えなくていいから、今日はそれが楽だった。
忙しい方がいい。
辛そうな桜の顔が見えない方が…全然集中が出来る。
そう考えて、客と話しながらも無心で働いていたら、あっと言う間に閉店近くの時間になってしまった。
店には、まだまばらに客が残る。
落ち着いてきた頃合いに、タバコを咥えて火を付けたら、「マスター」と呼ばれて、顔を上げた。
仕事帰りなのか、ジャケットを着た女。
髪は長くて、整っている。
肩に掛けたカバンの紐を両手で掴みながら、こちらを見つめて微笑んでいた。
「お会計ですか」
「……ん〜と…」
何故かもじもじとしながら、その女はカウンターに座った。