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第5章 ナンパの女
……?
帰らないのか?
よく分からずに、タバコの煙を吐くと、その女は少し頬を紅くしながら顔を上げた。
「マスターって、彼女いるの?」
「………随分突然ですね」
いきなりの質問に、思わず笑いながら答えると、その女はフフと笑って艶いた視線を送ってきた。
久々のその感じに、少し戸惑って顎下のヒゲを掻く。
「私、しばらくここに通ってるんだけど」
「それは……どうも」
まどろっこしい話し方。
確かに、言われてみれば最近よく見る顔のような気がしてきた。
「やっと話し掛けられた〜」
「別に……いつでも話し掛けてくれていいんすけどね」
「いやぁ…緊張しちゃって…」
「そんな緊張するような相手じゃないですよ」
フッと笑った俺は、また艶いた視線を送ってくるその女を見つめた。