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第5章 ナンパの女
未だ納得出来ないが、そのまま黙っていたら、おふくろはじゃあ…と言葉を続けた。
『とにかく、そんなおおごとではないから、心配しないで』
「……ん」
『達也も、お父さんのそういうところ似ちゃってるんだから──』
言っている意味が分からず、は?と思わず声を発した。
『体のこと、ちゃんと考えて働きなさいよ。もうあなたも若くないんだし』
「はいはい」
適当にいなすと、おふくろは呆れたように、ふん…と息を吐いた。
そして、そのままおやすみ、と言って電話を切ってしまった。
「意味分かんねぇ……」
これじゃあ見舞いにも行けねぇし、店にも行けねぇ。
ただ、倒れたって情報を与えられて、俺は何も出来ずにもどかしさを感じた。
「ったく……」
まぁ話の感じだと大したことはなさそうだけど…よ。
ぐるりと首を回した俺は、切り替えて残った作業に手を付けた。