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第6章 子迷 章6第



「はあーーーーー!ったく」




堪えきれずに大きく溜め息をつくと、桜が不思議そうな顔で俺を呼んだ。




「お前には悪りぃけど……」



「……………」



「その、和明?とかいうやつ、すげームカつくわ」



言葉にしたら、また苛立ちが増して、俺は、あーー!と唸った。




薫が事故に遭った事は、その和明ってやつにとって堪え難いほど辛いことだったのかもしれねぇけど……



だからって…妻の妹に…しかも昔から知っている幼なじみに手を出すとか…



男として多少贔屓に考えても有り得ねぇ。





「かずにぃは……悪くないです」




「………っ」





そんな俺の心の叫びに反論するように桜が言い切った。




「誘ったのは…私ですから」




力なくそう言って、視線を落とした桜にも腹が立った。




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