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第6章 子迷　章6第

「そいつのその行為は、誰も幸せにしねぇし」



こんなこと言ったら、桜は傷付くかもしれない。


でも、俺は敢えて桜が “これ以上傷付かないように” 言う。




「全部いっときの自分の快感のためじゃねーかよ」



戸惑いながら、桜は、自分の…？と言葉を返した。




「ああ」




頼むから……目を覚ませ。





「桜のことも傷付けてるし、妻であるお前の姉貴も裏切ってるんだろ、そいつは」



「それは……」



「だからやっぱ俺は許せねぇ」




当事者だと……特に惚れてるなら尚更、今のその状態がどういう状態なのか分かんねぇんだろう。




都合のいいように解釈したり、考えるのを放棄したくなるのは当たり前のことだ。



でも、闇から抜け出したいと思うなら、俺の言葉をしっかりと聞いて欲しい。



いや──



抜け出させてやるから、俺の言葉をしっかり聞け、桜。