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赤い花~情欲の檻~
第3章 MemoriesⅡ
 そんな相手に対して、自分はまだ希望を持とうしている。この救いようのない状況にさえ、活路を見出そうとしている。その事実に今更ながらに愕然とするともに、情けなさのあまり、ともすれば涙が出そうになる。
 美華子はシートに深く身を埋めながら、眼を瞑った。疲れた、もう眠りたい。どこか誰も自分を知らない場所に行って、何もかも忘れて永遠に眠ってしまえたら。
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