この作品は18歳未満閲覧禁止です
赤い花~情欲の檻~
第4章 MemoriesⅢ
美華子は、この時、はっきりと悟った。もしかしたら、自分が祥吾へ拘り続けるのは、愛情でも独占欲でもなく、ただの執着ではないか。しかも、祥吾という男自身へのものではなく、彼のために精一杯咲いた美華子の女としての三年間への哀惜。それがして、美華子に祥吾から離れがたくさせているのだとしたら?
自分はこの三年という日々を無駄に過ごしてしまった。そんな想いを否定したいがために、いつまでも煮え切らぬ男への未練を抱いているのでは。