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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
「今時ね、社内恋愛がご法度だなんて、時代錯誤もはなはだしいけれど、それがウチの社長の方針なんだから、仕方ないわよね。女性を積極的に管理職に引き上げる一方で、そんな社則があるのは、どう考えても不自然だもの。私はね、一ノ瀬さん、普段のあなたの陰ひなたない働きぶりに好感を持ってるの。いずれ商品企画部の方に来て貰っても良いと思ってるくらい。だから、こんなつまらない噂であなたには駄目になって欲しくないの」
沙織は普段は華やかなメークが映える美しい顔に、淋しげな微笑を浮かべた。
沙織は普段は華やかなメークが映える美しい顔に、淋しげな微笑を浮かべた。