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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
祥吾は眼を丸くした。
「意外だな。美華子は安浦部長のこと、前はあんまり良く言ってなかっただろ。何を考えてるか判らないし、底が知れなくて苦手だとか何とか」
美華子は小さく咳払いした。
「別に、ただ少し気後れするってだけで、嫌いとか、そういうんじゃないの。祥吾さんも人を立場とかだけで決めつけるのは止めた方が良いよ」
祥吾の眉がまた心もち跳ね上がる。
「何だか、引っかかるな、その言い方。俺は別に安浦部長を決めつけた憶えはないけど」