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赤い花~情欲の檻~
第3章 MemoriesⅡ
 それをいえば、初めて祥吾にホテルに連れられていったのは、付き合い始めて三ヶ月くらい経ったときのことだった。その時、事を終えた彼がいきなり浴室に入っていたのを見たときは、しんと心が冷えていった。
 セックスが終われば用はないと言わんばかりに、浴室に入っていく彼はついに振り向くことも美華子を見つめることもなかった。
 考えてみれば、セックスが終わった後、美華子は祥吾の腕に抱かれて眠ったことは一度たりともない。初回から祥吾の愛撫は巧みで、美華子は処女同然でありながらもすぐに彼の愛撫に応え始め、切ない声を上げ続けた。
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