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赤い花~情欲の檻~
第3章 MemoriesⅡ
 もう一度、鏡の向こうの女を見つめる。不美人というわけでもないが、かといって、美人というわけでもない。どこにでもいるような、大勢の人の中に紛れ込めば、とりたてて何の魅力もない顔立ち。
 何故、自分では駄目なのだろう。美華子は両手で顔を覆った。ここまで馬鹿にされている、軽んじられていると知りながら、美華子はまだ祥吾を愛していた。いや、愛というのとは少し違うかもしれない。
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