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甘党な愛
第2章 ニ
後嶋にだけは知られたくない。知られれば、あの嫌みったらしい口調で冷たくからかわれるに決まっている……。
「葎には黙っておくよ!その代わり、条件があるんだけど」
「条件……?」
「椿ちゃん、メイドは辞めないで。後……」
不思議に思う私へ恵はニコッと微笑むと、手に持ったショートケーキの乗るお皿をこちらへ差し出した。
「俺の前では甘い物食べてね。というか、俺だけに食べてみせて」
「……恵の前で食べる?って何で?」
「そんなの決まってるじゃん」
再び不思議がる私へ微笑んだまま、急に恵はショートケーキの苺を指で摘まんで、口に加える。そして、そのまま食べるのかと思いきや、目を閉じると私の唇へ口付け、私の口内へ苺を含ませた――