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甘党な愛
第24章 二十四

 だけど、条件付きで。一つは、台湾へ二人で行くこと。二つ目は、新工場の責任者は八雲がなり、会社の跡継ぎも八雲とすること。この二つを守れば、いつでも結婚して良いと。……パパの優しさが伝わってくる条件に、私はパパへ必ず親孝行すると心の中で誓った。八雲と離ればなれにならないで済んだのも、パパのおかげだ。

「で、どうする?いつ籍入れる?」

 八雲からの質問に、私は八雲へ抱き付きながら明るく笑う。

「私、一応バツイチだからな!もう少し経ってからにするか?」

「もう少しって言って……もう一年だぞ。本当は結婚する気ないんじゃねーだろうな?」

 私の言葉に八雲が不機嫌そうな態度へ変わると、私は八雲の胸にすりすりと頬擦りした。

「まさか……こんなに好いているのに……」

「……そういえば、恵と葎が今度遊びに来るってよ」

「恵と葎が?」

「俺が結婚を許して貰えたのも葎のおかげだ。社長の自伝本を読んでるって言ったから、社長に気に入って貰えたんだ」

「じゃあお礼しないとな!」

 八雲の言葉に私が微笑むと、八雲は私の唇へ口付けた。


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