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甘党な愛
第7章 七
「もしかして、椿ちゃん風邪ひいてる?買い物って風邪薬買いに行くとか!?」
「風邪……?風邪はひいてませんが……」
「ちょっとおいで!」
「え……」
慌てた様子で屋敷に向かって歩き出されると、手を繋いだままの私も引っ張られ一緒に歩くことになった。……まずい!屋敷にもどりたくない!何だこいつ、風邪なんてひいてないというのに!
「や、屋敷には戻りません!だから手を離してください!」
思わず叫んでいた。そんな私へ、
「寒いのに買いに出かけたら悪化するじゃん!」
華麗にスルーすると、謎の人物はどんどん早足で屋敷へと歩いていく。私の手は引っ張ったまま……。
「椿ちゃん、本当心配かけないでよ!」
「のおおおお……!」
そのまま屋敷に入るまで、私の手を離してくれることはなかった……。