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蛍の想ひ人
第1章 ほ
「信くんも早く結婚しなさいよ」
そして最後にはそのセリフだ。
「由布子さんのほうが2つ上だろ」
「私は・・・いいのよ」
何がいいのか教えてくれよ。
俺はいつまで経っても『信くん』で『信之』とは呼んでもらえないんだろうか。
同期の新田はそんな俺の感情を快く思っていない。
何年も片思いをするのなら
一生報われる気配がないのなら
いっそ新しい女の子と付き合ってみたらどうだと何回も言われた。
奥さんの洋子ちゃんの同期とか
それこそ熱心に合コンを勧めてきた。
俺は由布子さんへの気持ちをごまかすために
そして、もしかしたら吹っ切ってくれる女の子が現れるかもしれないという
一縷の望みをかけて、決まった相手を作らずに遊び続けた。
でも、いい加減そんな自分にもほとほとうんざりして
主任になったら、由布子さんに勝負をかけると決めていた。
主任になった時に由布子さんの気持ちを正直に聞きたい。
もし、それでも報われないのであれば
清々しく、彼女の元を去ればいい。
心残りがないほどにアタックして、それでも報われないのであれば
潔く、彼女の元を去ればいい。
そう心に決めていた。
そして最後にはそのセリフだ。
「由布子さんのほうが2つ上だろ」
「私は・・・いいのよ」
何がいいのか教えてくれよ。
俺はいつまで経っても『信くん』で『信之』とは呼んでもらえないんだろうか。
同期の新田はそんな俺の感情を快く思っていない。
何年も片思いをするのなら
一生報われる気配がないのなら
いっそ新しい女の子と付き合ってみたらどうだと何回も言われた。
奥さんの洋子ちゃんの同期とか
それこそ熱心に合コンを勧めてきた。
俺は由布子さんへの気持ちをごまかすために
そして、もしかしたら吹っ切ってくれる女の子が現れるかもしれないという
一縷の望みをかけて、決まった相手を作らずに遊び続けた。
でも、いい加減そんな自分にもほとほとうんざりして
主任になったら、由布子さんに勝負をかけると決めていた。
主任になった時に由布子さんの気持ちを正直に聞きたい。
もし、それでも報われないのであれば
清々しく、彼女の元を去ればいい。
心残りがないほどにアタックして、それでも報われないのであれば
潔く、彼女の元を去ればいい。
そう心に決めていた。