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蛍の想ひ人
第1章 ほ
「うん。無事主任になった」
「そっか。そっか~」
急に安心したような声になって
「由布子さん、まさか泣いてないよね?」
その後何も言わない由布子さんにカマをかける。
「まさかっ!昇進ぐらいで泣かないよ!」
そう強がるけど・・・
由布子さんにとって『これ』がただの昇進じゃない事ぐらい
俺が1番良く知ってる。
由布子さんの元カレは、俺と同じ会社だった。
そして―――
主任になったら結婚しようと二人は決めていた。
「お祝いしなきゃね!」
由布子さんは涙声でそういう。
「ありがとう」
「入社の時にお祝いしたあのお店予約したのよ!」
「は~?昇進する前から予約したのかよ」
「昇進するって分かってたもん!」
明るい声で言うけれど
あの店は、俺たち3人の思い出の店で
俺の入社のお祝いは、由布子さんとアイツが二人でお祝いしてくれたんだっけ。
「今日の7時どうかな?無理そうなら遅らせるけど」
「うん。大丈夫。行くよ」
何があっても行くよ。
「じゃぁ7時に。本当におめでとう」
「ありがとう。うん。7時に」
そう言って俺は受話器を置いた。
「そっか。そっか~」
急に安心したような声になって
「由布子さん、まさか泣いてないよね?」
その後何も言わない由布子さんにカマをかける。
「まさかっ!昇進ぐらいで泣かないよ!」
そう強がるけど・・・
由布子さんにとって『これ』がただの昇進じゃない事ぐらい
俺が1番良く知ってる。
由布子さんの元カレは、俺と同じ会社だった。
そして―――
主任になったら結婚しようと二人は決めていた。
「お祝いしなきゃね!」
由布子さんは涙声でそういう。
「ありがとう」
「入社の時にお祝いしたあのお店予約したのよ!」
「は~?昇進する前から予約したのかよ」
「昇進するって分かってたもん!」
明るい声で言うけれど
あの店は、俺たち3人の思い出の店で
俺の入社のお祝いは、由布子さんとアイツが二人でお祝いしてくれたんだっけ。
「今日の7時どうかな?無理そうなら遅らせるけど」
「うん。大丈夫。行くよ」
何があっても行くよ。
「じゃぁ7時に。本当におめでとう」
「ありがとう。うん。7時に」
そう言って俺は受話器を置いた。