この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
普通ってどんなの?
第1章 発展途上

幼稚園も一緒だったけど、いつからそう思うようになったんだろう。気付けば側に居た。
少し癖の有るフワフワした茶色い髪に、甘ったるくて騙されやすそうな声の奈緒。
奥二重の開ききらない目は、眠たそうなのか笑っているか誘っているのか分からなくて、いつもドキドキさせられる。
嬉しい事が有った時に大袈裟に喜んでハグ出来るのは、女の子同士の特権。
私より少し小柄で抱き締めやすいサイズ。
奈緒の笑顔はディズニーキャラクターの様に頬骨が盛り上がりとても愛らしい。
両方の八重歯を見せポチョリと出来た2つのエクボにやられて我を忘れそうになるから困る───。
奈緒の好きなもっ君は色素の薄い化粧栄えする顔の妖艶な魅力をもつ男の子。
私の好きな男の子は、もっ君の友達でパッチリ二重の可愛らしいトシ君って事にした。
小学1年生の男の子は未だ中性的でホントに可愛い顔してると思う、だからトシ君を選んだ。
だけど本当はトシ君より奈緒の方が大切。
奈緒とずっと一緒に居たい。
昼も夜も。
いっそのこと溶けて一つに成ってしまいたい。
家に帰りたくない。
奈緒には私以外の他の子と遊んで欲しくない。
初めて知る自分の中の嫉妬心。
でも、もっ君に焼き餅を焼く事は無い。
もっ君の話をする奈緒は可愛いし、もっ君は私に無いモノを持ってるから。
もっ君は別の生き物。
好きな人の話を照れながらする可愛い奈緒のこの笑顔を見ていたい。
出来れば触れたい。
けど、流石にそれはしない。
そんな事したら一緒に居られなくなるから、それは嫌。
だからこの思いは絶対に奈緒には気付かせない。
私の片思い。

