この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
普通ってどんなの?
第1章 発展途上

小学3年生のクラス替えで奈緒と別々になってしまった。
その年、転校生がやって来た。
転校生の美穂ちゃんも奈緒みたいに、笑うと両方の八重歯が見えて左の頬にだけエクボが出来る。
美穂ちゃんは奈緒より少し活発で八方美人な所があって、騙され安い男の子達に直ぐに人気が出てきた。
ストレートのさらさらしたロングヘアーを揺らして陽気に振る舞う美穂ちゃん。
そんな美穂ちゃんは私の事をカッコイイって言う。
カッコイイから好きって言われたら、好きになる。
我ながら単純。
そして騙され安い。
オイオイ 奈緒はどうした?
うん。
奈緒は親友、秘密の最愛の人。
今は只、私の腕に絡み付いて来る美穂ちゃんが可愛いく思えて仕方がない。
でも美穂ちゃんの好きは、私の好きと違う。
割りと目立つ私と仲良くする事は、クラスに早く馴染みたい転校生の生き抜く方法の一つに過ぎない。
それでもよかった。
奈緒と別々のクラスになった寂しさを充分に埋めてくれるから。

