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普通ってどんなの?
第6章 前途遼遠

彼女が来る迄に、奈緒と奈緒の家族の豹変振りの話しを彼から聞いた。

奈緒よりも、奈緒のお母さんの方がショックが大きかった様で、彼の母親にスーパーで遭遇した時「別れてしまって残念」と泣いて縋ったんだとか…。

「へぇーそりゃすごいねぇ」
と心から思った。

奈緒のお母さんヤンデんなぁ…。



しばらくの沈黙を破り今の彼女が到着する。あまりの平面顔に驚いた。私も日本人らしいノッペリ醤油顔だと自分でも思ってるけど…これよりはマシ…。

この子に奈緒が負けるなんて!私の可愛い奈緒がこんな子に泣かされたなんて…。

そう思うと…。さっきまでは全くの部外者で居られたけど、フツフツと怒りが込み上げてきた。このケイン・コスギ似の濃いめの男と平らな女に爆弾を投下してやりたくなった。

「でもまぁその内…落ち皆着くと思うから、落ち着いたら教えてあげようか?」

私は優しく手を差し伸べるフリをして、私と彼の連絡先の交換を提案したが当然の様に今の彼女は反対した。

それでイイ!奈緒とのヨリを戻させたかった訳じゃ無くて、元カレに後悔させてヤりたいんだし。

奈緒や奈緒の家族の事を、心配しているだけの彼の意思を無視して、私との連絡先の交換を阻止した今の彼女に「負い目」と言う名のトラップを仕掛けてやりたかっただけなんだから。

別れちまえ!

奈緒よりブスを選んだ彼と、ブスのくせに奈緒から彼を寝取るなんて大それた事をしやがった彼女を目一杯見下げて私は先に店を出た。


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