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天国から愛をこめて
第1章 天国から愛をこめて
『僕が死ぬ時には、おそらく君に何も伝えられないだろう。だから、君に僕の想いをどうしても伝えたかった』
いよいよ容態が悪化し昏睡状態に陥った龍一は、そのまま沙羅に何も言い残すことなく静かに息をひきとっていた。その静かな最期がいかにも龍一らしいと思っていたのだが、それすらも龍一にはお見通しだったらしい。まるで神様みたいに何でも知っていた龍一。龍一には自分の死に様すらもお見通しだった。
『沙羅。僕と結婚してくれてありがとう。短い間だったけれど、君と夫婦になることができて僕は幸せだった』
沙羅の目から涙が溢れた。龍一と夫婦になったのは一昨年の六月。わずか一年二ヶ月という夫婦生活だった。それでもともに笑い、ともに泣いた、かけがえのない日々。星の粒のようにキラキラとした小さなたくさんの思い出が、沙羅の中で瞬いた。
そして沙羅は流れる涙を拭って大きく目を見開き、懸命に画面を見つめた。龍一の性格からするとおそらく次のツイートで最後だろう。
いよいよ容態が悪化し昏睡状態に陥った龍一は、そのまま沙羅に何も言い残すことなく静かに息をひきとっていた。その静かな最期がいかにも龍一らしいと思っていたのだが、それすらも龍一にはお見通しだったらしい。まるで神様みたいに何でも知っていた龍一。龍一には自分の死に様すらもお見通しだった。
『沙羅。僕と結婚してくれてありがとう。短い間だったけれど、君と夫婦になることができて僕は幸せだった』
沙羅の目から涙が溢れた。龍一と夫婦になったのは一昨年の六月。わずか一年二ヶ月という夫婦生活だった。それでもともに笑い、ともに泣いた、かけがえのない日々。星の粒のようにキラキラとした小さなたくさんの思い出が、沙羅の中で瞬いた。
そして沙羅は流れる涙を拭って大きく目を見開き、懸命に画面を見つめた。龍一の性格からするとおそらく次のツイートで最後だろう。