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キミを愛シテ溺れてる
第4章 *キミを愛シテ溺れてる 2

それはホワイトデーの時。

バレンタインデーでもらったチョコのお返しをしないといけない。


仕事が休みだった父さんに連れられて、ホワイトデーに渡す物を買いに出掛けた。

「風子ちゃんのチョコと同等のお返しどうしよう……。父さんは母さんに何を渡すの?」

「母さんは食べないで腐らせることが多いからお菓子はなしだ。
その代わりに綺麗なアクセサリーでも贈ろうかな。あー、早く母さんのことを抱き締めたいよ」


「…………」

「ごめん、そんな呆れた顔をするなって。これから父さんは仕事で遠くに行くし、風子ちゃんのお父さんとも会えなくなるだろうね」

つまり遊びに来なくなるから、もう会えなくなる。


「だから、風子ちゃんに会えなくなる前にとっておきの物をプレゼントしたらどうだい?……って小学生にはこう言うのはまだ早いな。やっぱりお菓子かな」

父さんの後について行った売り場で見掛けた銀色のネックレス。
それはゲームソフトくらいの値段で、もらったお年玉を使えば買える物だった。

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