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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
それにしても緊張する。
彼女か……。
周りの友達から話を聞いていて、自分に関係ないものだと思っていたけど、こんなにも温かい気持ちになれる存在だったとは知らなかった。
もし風子が今日も伝えたいことを言えないようだったら、言えるように助けてみようかな。
淡い期待を寄せながら待っているうちに時間が刻々と過ぎていく。
薄明るい青色の空が夕焼けに近付き、蜩の鳴き声が聞こえてきて曙色に染まり、仄暗くなって月が見えてもやって来る気配はなかった。
それから午後九時まで待ってみても風子は来なかった。
待ち合わせに遅れると言っても風子はいつも五分か十分くらいで大幅に遅れることはない。
でも電話は繋がらないし、再度メールを送っても返事さえなかった。