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キミを愛シテ溺れてる
第11章 真っ白な青春のままで…(ソラ目線)
彼女のフリをしてもらう経緯を風子に話すとやってみます、っと言ってやる気を見せてくれた。
健気に従ってくれる姿は何も知らない子供のよう。
夏休み前までの記憶がないみたいだから当然なんだけど……。
放課後。校門へ向かうと他の高校の制服を着た人が立っていた。
その人は俺の方を見つけると駆け寄ってくる。
「ねえねえ、大空くん。今日こそ一緒に帰ろうよ」
待っていたのは海田の彼女の宮藤さん。
俺と海田との仲が悪くなった原因であり、同じ中学でクラスメイトだった女。
「海田はそろそろ来ると思いますけど」
「え?海田くん?」
彼氏の名前を言ったのに宮藤さんは首を傾げる。
「用事があるのは俺じゃなくて海田ですよね?」