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キミを愛シテ溺れてる
第13章 ひと時の青春と禁断の恋
ソラ先輩とのことを聞かれるのが恥ずかしくなってきて無理矢理話を逸らしてみると、大地くんは窓の方に視線を向けたままどこか遠い場所を見始める。
初めて見た切なそうな表情に少しだけ緊張が走った。
今まで大地くんに聞いたことはなかったけど、口に出してみてするべきでもなかったような気がする。
慌てて残り少ないミルクティーを飲んで「いないよー」っと返ってくる言葉を待つ。
店内の席が埋まって賑わってきた中、大地くんの横顔を恐る恐る見てみるとなんともない表情をしていた。
「やっぱり今の質問は……」
「……好きな人は一応いるけど、僕の場合は一生片思いだから」
「えっ……、片思い……?結婚してるとか?」
「結婚してはいないけど、僕は好きになっちゃいけないんだー。あっ、この話の流れだと勘違いさせちゃいそうだね。風子ちゃんじゃないから」
「分かってるよ。ありえないから」
「ありえないと思っていても人って好きになっちゃうものなんだよねー」