この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
もう私、生徒じゃない
第3章 木曜日の午後

ぽっかりと空いてしまった口に手を当て
男子トイレの外側の壁に背中を預け
ズルズルと滑り落ちていく自分に気づく。
それでも中での会話は終わらない。
「音楽学科は折り返したぜ?」
「女は5人しかいないからな、
今月中に全員やれそうだな。」
「そうだな、次は大川に行こうかと思ってて」
「楽しそうなのは最後に残しとくって?」
「そうだな、松永はショートケーキの苺だよ
…楽しみだ。」
最後の一言に悪寒が全身を駆け抜け
知らぬうちに自分で自分の身体を抱いていた。
寒いわけでもないのにその身体が
小刻みに震えているのがわかる。
もし、会話を聞かれていたと知ったら…
中にいる教師たちはどうするだろう。
もしかしたら聞かれていても
気にしないのかもしれない。
でも…。
言い表せない恐怖で足が動かない。
ここから離れなくては。
きっと休憩も終わっているだろう。
それでも足に力が入らない。
男子トイレの外側の壁に背中を預け
ズルズルと滑り落ちていく自分に気づく。
それでも中での会話は終わらない。
「音楽学科は折り返したぜ?」
「女は5人しかいないからな、
今月中に全員やれそうだな。」
「そうだな、次は大川に行こうかと思ってて」
「楽しそうなのは最後に残しとくって?」
「そうだな、松永はショートケーキの苺だよ
…楽しみだ。」
最後の一言に悪寒が全身を駆け抜け
知らぬうちに自分で自分の身体を抱いていた。
寒いわけでもないのにその身体が
小刻みに震えているのがわかる。
もし、会話を聞かれていたと知ったら…
中にいる教師たちはどうするだろう。
もしかしたら聞かれていても
気にしないのかもしれない。
でも…。
言い表せない恐怖で足が動かない。
ここから離れなくては。
きっと休憩も終わっているだろう。
それでも足に力が入らない。

