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もう私、生徒じゃない
第7章 知らなかった遊戯
その先生に連れてこられたのは

旧階段の扉の前だった。

この学校は何故か使われていない階段がある。

その階段は2階と3階と4階にある扉からしか入れず

どちらから開けるにせよ鍵が必要な仕組みになっていた。



なんで紗希子ちゃんがこんなところに?



と首を傾げたが、

先生は扉を開けて私を招き入れる。

鍵は開いていた。

ここで、おかしいと気づくべきだったのだ。



バタン



扉が閉じられると同時に暗闇が訪れる。

私が狼狽えている間に鍵のかかる音がした。



一瞬のうちに状況を理解した私は

扉を力強く叩いて、叫ぼうと息を吸った時だった。

開きかけた口に丸いボールのようなものを入れられる。

暗闇だというのに正確に口を捉えた男に驚いた。

その隙を見逃してはくれなかった男は

私の後頭部でそのボールから繋がれている

ベルトのようなものを固定していく。

私が慌てて手を動かすと

その手を楽々と掴んで自由を奪う。

どこから出したのかレザーのような材質の

手枷を後ろ手にはめ終わると満足そうに息を吐いた。
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