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第10章 面影を重ねて

「おい！」



シャワーを止めて叫ぶと彼女がモゾモゾと反応する。

息はある。

彼女をバスタオルで包んで抱き上げると

ベッドまで運んでそっと下ろす。

すると彼女は薄っすらと目を開ける。



「大丈夫か？」



そう問うと虚ろな目で彼女は頷いて

またそっと目を閉じた。

少し不安になったが

少しすると一定のリズムで寝息が聞こえる。

寝てしまったようだ。

少し迷った後に俺は彼女のバスタオルを剥がした。