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もう私、生徒じゃない
第11章 密室で
寝返りを打つ先生に慌てて手を引っ込めるが

起きてしまったわけではなさそうだ。

まだ一定のリズムで呼吸が響いている。



また、そっと髪に触れると

先生の顔が苦しそうに歪んだ。



驚いてまた手を引っ込めると

その手を先生の両手が掴まえる。

起きていたのかと思ったが

うなされながらも夢からは覚めていない。



「うそ…だ…」



うなされながら先生が口走る。



嘘?何が?



そんな疑問は口にすることなく

じっと次の言葉を待つ。



「ごめん…ゆるして…」



うわごとのようにつぶやいている声は

胸を締め付けられるように切なくて。



「許して………らん」



私の知らない誰かの名前をつぶやく先生の手を

私は黙って撫でることしかできなかった。
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