- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雪の日に祝福を・・・。
第8章 2人の夢
「若狭。」
「はい、部長。」
「千明《チギラ》社長が応接室にお見えだぞ。」
職場に着きある程度の仕事をこし終え他の職員が出社して来たころ部長に思いもよらない声を掛けられた。
「千明って・・・あの、千明社長ですか?」
「そうだ。早く行け。」
「でも私の担当じゃありません。」
「直々に君をご指名なんだから行きなさい。」
「そう、ですか・・・判りました。」
なんだか不安がよぎるが急いでエレベーターに乗って応接室のある階へと急いだ。
「お待たせしました、若狭です。」
応接室に入ると趣味のいいブランド物のスーツに身を包んだ男が目に入り挨拶をする。
「やぁ、若狭さん。朝早くからすまないね。」
「いいえ、遅くなりました。」
「構わないよ。さ、座って。」
「はい。それで今日は、どういったご用件でしょうか。私は、担当ではありませんが・・・」