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雪の日に祝福を・・・。
第9章 絵画コンクール
〝愛すること〟がまた、判らなくなってしまった。
どうすればいいのか・・・いまでも、判らない。あなたに縋《スガ》ればいいのか・・・あなたが倖せであるように、願っている。
《 《
千明と面会をしてからの日々は、私を彼と出逢うまでに完璧に戻してくれた。帰宅が億劫になり残業を重ねていたのだが。・・・今日は、さすがに帰されてしまった。
「久しぶり。」
かれこれ1ヶ月以上は、顔を出していなかった伯父の店を訪れた。すぐには、どうしても帰れなかった。
「1人か?」
「ええ。あの子いま、絵を描くのに忙しいから。そろそろ提出期限だわ。」
いつもの席に座りながら答えた。
「そうか。仲良くやってるようだな。」
「まぁ、一応ね。こうなるように仕組んだでしょ?」
出された水を一口飲んで問い掛けた。