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雪の日に祝福を・・・。
第9章 絵画コンクール
「そうだ。こないだ、瑠々が来たぞ。」
「(話しそらしたわね。)
そう。元気にしていた?」
「してたよ。安定期にも入って顔を見せに来てくれた。」
「そう。」
「お前に宜しくって。」
「どの口で。
まぁ、いいわ。もう関係がないし。」
「そろそろ意地を張るのを止めたらどうなんだ。結局形だけしか籍なんか離れられないんだから。」
「マスターみたいになるから?」
出されたお酒を受け取り切り返した。
「月依・・・本気で心配してるんだぞ。」
「ありがとう。でももう、瑠々に逢えないし逢いたくないの。きっと一生許せない。
そんな簡単な話しじゃなくなっちゃたのよ。」
クイッとグラスを空ける。
「いまは、あの子を育てたいのよ。」
「そうか。」
頑なな姪に折れるしかなかった。
「なんだか顔色が悪いな。具合でも悪いのか?」