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雪の日に祝福を・・・。
第10章 忍び寄る別れの魔の手
「それで?」
〝どうしろと言うのか〟と言う意味合いを込めて素っ気なく返した。
「病院に顔を出してくれないか?」
「なんでそうなるの。どっちの両親も居るから不自由は、ないでしょうに。」
「〝逢いたい〟って、言うんだよ。」
「あなた、馬鹿なの?私たちは、普通の姉妹の関係を築いて来なかったしこれ以上傍に居ない方がお互いの為だと思うけれど・・・」
理解が乏しい男に面倒だが改めて立場を理解させるために話す。
「でも、〝逢いたい〟って・・・」
「全く。欲もまぁ、そんな話しが出来るわね。」
無神経さに呆れ返ってしまう。
「最近、調子がいいんだろう・・・?その、プライベートで・・・」
「だからなに?具合が悪いんだから〝婚約者を奪った妹を労りに行けるだろう〟、とでも言うの?」
「いや、そうじゃなくて・・・」