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雪の日に祝福を・・・。
第10章 忍び寄る別れの魔の手
「はい。すぐに特進クラスです。」
「そうか。お前は、元々成績がいいからな。」
「・・・そうですね。」
「もうすぐ、コンクールの発表だな。」
「はい。」
「絵画は、趣味で続けたらいい。彼女とも後腐れがないようにしておけ。」
「判っています。」
父の車に乗っているのは、居心地が悪く息が詰まりそうだった。しかし自分は、弱かった。逃げ方も判らず救い方も判らない。
「本当は、お前が私の警告を早めに訊いて帰ってくれば彼女との交際くらい見逃してやったのだがな・・・お前がごねるから悪いんだぞ。」
あくまでも息子に全ての責任を負わせる。
「すみません・・・」
「まぁ、これからのお前の行動次第で彼女の立場が決まるからな。判ったな。」
「はい、社長。」
「じゃあ今日は、会社を案内する。」
「宜しくお願いします。」