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雪の日に祝福を・・・。
第10章 忍び寄る別れの魔の手
どうにもならないが誰かに話しを訊いてほしかった。
「本当に申し訳なく思います。」
「燵夜・・・」
どうにもしてやれないことが苦しかった。
「俺に〝なにを〟頼みに来たんだ?」
苦しむ青年の目的を理解した。
「マスターは、月依さんの伯父だそうですね。」
「ああ、DNA上は・・・な。」
「だったら、月依さんを支えてくれますか?」
「もちろん。」
「ありがとうございます。別れると決めた日に初めて俺に〝愛を誓って〟くれたんです。
それなのに・・・その誓いに俺は、応えられません。」
うな垂れて涙をグッとこらえる。
「辛いな・・・」
そっと肩に手を当てた。
「大丈夫、俺があの子に付いてるから。」
「ありがとう、ございます。」
「燵夜、2人で逃げる道もあるんだぞ。」
「マスター・・・」