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雪の日に祝福を・・・。
第11章 結果発表~なごり雪~
訝《イブカ》しみながらも足を踏み出した。
「若狭さん・・・」
「はい?」
「曲がってますよ。よく線を見て下さい。」
「は、い。」
今日は、ローヒールを履いているのに足下がフワフワとして線をきちんと踏めない。
「ゆっくり、慎重に。」
「っ、あ!」
指示通りにしようとした瞬間にフラ付いた。
「もう・・・っ、結構です。」
女性を抱き留めた。
「はい・・・
(なんで・・・?簡単な、ハズなのに・・・)」
自分の出来なさ加減に戸惑う。
「いま、歩いてみて目眩がありましたか?」
「・・・」
「若狭さん?」
「・・・はい。」
「歩いていて目眩がありましたか?」
答えたくなかった。
「若狭さん、素直に答えて下さい。」
「あり、ました・・・」
「判りました。これで問診は、全て終わりになります。」