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雪の日に祝福を・・・。
第12章 終わりのハジマリ

「〝お姉ちゃんに逢いたい〟と言っていましたので喜ぶと思います。」
笑顔で看護師は、去って行った。
妹の健やかな寝顔を前にして自然と起きるのを読書をして待つことにした。大きくなったお腹を見るとなんだか不思議な気持ちになる。
「ん・・・、お姉ちゃん?」
人の気配に気が付いて目を開けると思い掛けない人が傍に居て驚いた。
「やっと、お目覚めね。あなたが呼んだから来たのに。」
本にしおりを挟みながら声を掛ける。
「来て、くれたんだ・・・」
「あなたの旦那が煩いからよ。」
「お姉ちゃん・・・。私、きちんと謝りたくて・・・」
身体を起こすことは、難しいが頭だけ下げた。
「あなたの自己満足に付き合う気は、ないわ。」
冷たく返す。
「ごめんなさい。
私が悠葵さんを誘惑しました。」
「私のモノが欲しかったの?」

