- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雪の日に祝福を・・・。
第12章 終わりのハジマリ
「除籍が終わったの。これで生物学上でしか姉妹じゃなくなったと言うことよ。
(本当は、そんな簡単な話じゃないけれど・・・これぐらい言わないと理解しないでしょうね。)」
「・・・。」
「嬉しいでしょう?もう、2度と邪魔されないのよ。」
青ざめて涙を流す妹に冷たく言い放った。
「家族3人で倖せになりなさい。
〝奪った〟と思うのなら、きちんと倖せになりなさい。私は、邪魔しないから・・・」
苦しそうな妹を残して席を立つ。
「さようなら、鈴村夫人。」
答えもしない妹を残して病室を出た。
「お帰りですか?」
「これからも宜しくお願いします。」
通り掛かったナースステーションから声を掛けられて挨拶を返した。
》 》
全て断ち切るしかない。
未練など無い。ただ同情されたくないだけ・・・。
悲しいのは、私だ。しかし泣けない。