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雪の日に祝福を・・・。
第13章 愛の居場所
「あの、鈴村 瑠々の姉です。」
「ああ、お姉さん。覚えていますよ。赤ちゃんに逢いに来られたんですね。お母さんは、疲れて眠ってますけどどうぞ。」
「抱いても、いいですか?」
「もちろんです。だぁ、どうぞ。」
自分を覚えていてくれた看護師に連れられて新生児室に入る。
「さぁ、頭を支えて下さい。」
「はい・・・」
柔らかい赤ちゃんを抱くとミルクの匂いがする。
「・・・初めまして。」
温かい体温が伝わり涙が自然と零れた。
「私の代わりに2人をお願いね、赤ちゃん。」
そっと囁く。
「可愛いね。
あなたの人生が倖せでありますように。」
静かに額にキスを送る。
「ありがとうございました。妹には、私が来たこと言わないで下さい。また来ますから。」
「はい。」
「それじゃあ。」
看護師に挨拶してエレベーターホールに向かう。