- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雪の日に祝福を・・・。
第13章 愛の居場所
「わざわざありがとうございます。」
ペコッと頭を下げてやって来たエレベーターに乗り込んだ。
「はっ・・・」
自分の希望を打ち砕いた子がこの世に生まれた。逢いたいような、逢いたくないような複雑な気持ちが入り交じる。
頭痛と目眩が強くエレベーター内で蹲ってしまった。
その日の記憶は、そこまで。
》 》
頑張ったって無意味だ。だから受け入れなくてはならない。
頭では、よく判っている。けれど、心が素直に返事をしない。
ジタバタしている場合じゃない。判っている。
今さら求めても無理なのは、判っている・・・。それでも求めてしまう。
〝愛が〟、〝愛が、欲しい〟・・・と。
ない物ねだりな人生がもうすぐ終わりを迎える。
私の〝愛〟は・・・・・・
《 《
数日後面会時間が終わる少し前に産婦人科の病棟を訪れた。