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雪の日に祝福を・・・。
第13章  愛の居場所
  


「〝手、術〟・・・しなかったんですか?」


「はい。本人の希望です。
 いまは、主に緩和ケアをしています。これも本人が選んだことです。」


「そ、んな・・・」


「もう時間もないのでご家族に連絡出来るようにしたかったんですが・・・〝家族は、居ない〟の一点張りで・・・」


「〝家族は、居ません〟彼女に。」


「そですか・・・」


「なにかあったらいつでも連絡を下さい。」


 医師に名刺を渡す。


「判りました。」


「しばらく傍に居てもいいですか?」


「どうぞ。」


「失礼します。」


 部屋を出て病室に戻る。

 モニター音がいやに耳につく。点滴を受けて静かに眠る彼女の傍にある椅子座る。


「どうしたら、いい?」


 かつて結婚を約束していた指が付いていた手を握る。元々白くて細かった手が更に白く細くなっている。


  
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