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雪の日に祝福を・・・。
第14章 優しさに祝福を
今でも思う。
この不平等で不公平な私の世界でいったい何を成し得て来たのだろうか。
虐げられたなかで私の輝きは、なんだったのだろう。
出来ることなら彼の夢を後押したあの日々を〝良くやった〟と言われたいものだ。
《 《
「いつまで居る気なの?」
目覚めると辺りは、暗い。どうやら気が付かないうちにまた深い眠りに落ちていたようだ。
「これくらいしか、出来ないから。」
「馬鹿ね。いまさら来ても遅いわ。」
身体を起こそうとすると手伝って背中にクッションを入れてくれる。時計を見ると1時を回っている。
「初産の妻を放ってなにをしているのかしらね。」
「判ったよ。」
椅子を片付ける。
「もう来ないでね。」
部屋を出て行く背中に冷たく放った。
ドアが閉まるとベッドを降りてトイレに駆け込む。
「う゛っ・・・!!」