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雪の日に祝福を・・・。
第16章 雪の日に祝福を・・・。
ゆっくりと身体の力が抜けていく。自分の為に流れる涙を紙吹雪の白と一緒に眩しく見つめながら意識を手放した。
手が車椅子の肘掛けから落ちる。
「っ、さん・・・い、さんっ!!」
のどの奥から絞り出すように声を出す。
「月依さんっ!!」
瞼を閉じて動かない彼女の両肩を掴んで揺さぶる。
「月依っ!おい、返事をしろ!!」
「燵夜くん。」
乱れる青年の気持ちは、痛いほど判った。しかしそんな青年を制止する。
「嫌だ、嫌だっ!!」
「燵夜くん。やっと・・・月依は、楽になれたんだよ・・・。」
青年に言葉を掛ける。
「うっ、月依・・・さん・・・・・・」
涙が溢れる。
「ほら、笑ってる・・・」
「なんで、笑ってるんだよ。なんでっ・・・」
彼女の表情を見てガクンと座り込んでしまった。