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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
「拒否権なんかないからね、2人とも。私の不幸を踏み台にするんだからあなたたちが不幸なのは、許さないわ。みんなに祝福されて夫婦になりなさい。」
自分の結婚式のプランをそのまま使って〝結婚式を挙げろ〟と命を下した。2人の表情は、もちろん良くなどない。
「お姉ちゃん・・・」
蛇に睨まれた蛙のような心境のなか断りを入れようと姉を呼ぶ。
「ダメよ。ちゃんとしなさい。」
抑揚のない感情もない声音で静かに笑みをだけ湛えて告げる。
「でも・・・」
「結婚式、するわよね?」
「「っ!!?」」
抵抗をしようとした自分を射殺しそうな姉の瞳に見据えられて彼の腕をそっと握ってしまう。
そんな相手の手を握り返し肩を抱いたのは、たった1日で病的に窶《ヤツ》れた彼女の瞳が狂気を孕んだ色を宿していたからだ。
「瑠々、結婚式を挙げよう。
(ごめん。月依を止められない。)」