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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
「ダメよ。一生に1度のことなんだから自分が気に入ったドレスを着て式に出なくちゃ。将来子どもに訊かれて〝伯母さんの婚約者を寝取ったから無理矢理結婚式挙げせられたの〟なんて話すつもり?やめてよね。」
笑顔を絶やさずに毒を吐くと妹は、なにも言い返してこなかった。
「真剣に選びなさい。子どもに明るく楽しい思い出として話せるように。」
「う、ん・・・」
生返事をして彼の喜ぶ顔を思い描きながらドレスを選び始める。
プランナーは、なにも言って来なかった。否、口出しなど恐ろしくて出来なかったのかも知れない。
》 》
式場関係者は、私の行動を理解出来なかったと後に打ち明けてくれた。 式をキャンセルする客は、珍しくないがまさか寝取った相手の結婚式を依頼する客など見たことがないと言われた。
しかし私は、2人を祝福し倖せな結婚式に送り出したかった訳ではない。