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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
本来なら〝倖せ一色〟になるハズの結婚式を仕事関係者にも妹の友人たちにも〝略奪者の祝宴〟と見せつけたかった。だから私の結婚式のプランをそのまま引き継いだ形を崩したくない。
私だけが晒し者になる気はない。
婚約者の妹に手を出し孕ませ挙げ句の果てに婚約者と執り行うハズの結婚式をそのまま挙げる新郎。
大人しい顔をしていながら毒蛇のように姉の婚約者を寝取りまんまと子を孕んで結婚式を挙げる新婦。
その肩書きが必要だった。私は、会社を去るつもりはない。同じ職場で過ごすなら自分だけが晒し者になるのは、許せない。
棄てて、奪った者と奪われ捨てられた者とが同じ立ち位置になる。
しかし両親だけは、なにも変わらなかった。想像通り過ぎて笑えて来るほどだった。
》 》
久しぶりの帰宅。
「ただいま。」
妹の小さな挨拶で我に返り気合いを入れる。
「お帰りなさい、瑠々。」