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雪の日に祝福を・・・。
第4章 呪縛の門出
「行こう。」
「ええ、そうね・・・」
倖せを感じながら訪れたときが遠い昔のことのようだ。
「13時に予約していた鈴村です。」
「お待ちしておりました。エレベーターで向かって下さい。」
「はい。」
緊張しながらエレベーターに乗り込む。
》 *
ミーティング室で招待状の確認をし家族の顔合わせのプランナーとの打ち合わせが丁度終わった。
「若狭さま。鈴村さまのご家族がお見えです。」
部屋に他のスタッフが声を掛けにくれた。
「判りました。行きましょうか。」
「そうですね。」
資料をお互いにしまいプランナーと部屋を出てエレベーターホールに向かう。
後ろを付いて来るプランナーのヒールの音が響く。
エレベーターの扉がゆっくりと開く。深呼吸をして笑顔を造る。
「お待ちしていました。お義父さん、お義母さん、弦《ユズル》くん。」