- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雪の日に祝福を・・・。
第4章 呪縛の門出
「「弦っ!!」」
「ふふ。じゃあ、式のときにまたね。」
両親に窘められても我関せずヒラヒラと手を振ってエレベーターに乗り込み去って行く彼の弟に返す。
「すまないね。」
「いいえ。あれくらいハッキリ言われると凄くスッキリします。みんな避けて通りたがるので。」
「月依ちゃん・・・本当にごめんなさい。」
思わず彼女の手を握り謝っていた。
「月依ちゃんが納得する形で2人には、きちんと償わせるから。」
「約束する。」
「お義父さん、お義母さん・・・」
自分の親よりも親らしい気遣いに救われる。
「2人を祝福して私を棄てて下さい。」
「「月依、・・・ちゃん・・・・・・?」」
「式が終わったら私は、家の籍を抜けようかと思っています。まぁ、形だけにしかなりませんが。。。
なので若狭の姓を名乗りますが〝若狭の家〟とは、関係ない人間になろうかと思います。」