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雪の日に祝福を・・・。
第4章 呪縛の門出
仕事に没頭しても・・・地位を確立してもこの砂漠を潤す水は、ひとつも湧き上がっても降り注いでもこない。
〝渇き〟は、確実に私を蝕んでいく。
この頃から余計に食べなくなった。眠いなんて思ったのは、いつだったか・・・
お酒に溺れる日々が始まった。
彼で渇きを誤魔化してきたツケが来たのだ。
でも出口のない日々が私を壊していった。
《 《
「えっ、嘘。」
「本当よ。」
「だって、月依さんなんにも・・・」
「言える訳ないでしょ。妹に婚約者寝取られて結婚式取り止めにしたなんて。」
「うわぁ~悲惨。」
「もう、27なのに。」
「仕事も私生活も充実してるんだと思ってた。」
「まぁキャリアウーマンは、モテないってことだね。」
「うちらよかったねぇ~」
女子社員たちは、噂好きだ。日を追うごとに大きくなる噂であった。